
枯れることの先
Withering Is Not the End
花びらが落ち、葉が乾き、色がゆっくり抜けていく。枯れることは、美しさが突然なくなることではありません。植物が水を手放し、形を変え、その先の循環へ向かう時間です。

枯れたあと、土の中で起きること
森では、落ち葉や枯れた根が地表と土の中に重なります。それらを主に分解するのは、細菌やカビ、キノコなどの微生物です。複雑な植物の組織が少しずつほどかれる過程で、窒素やリンなどが土へ戻り、再び植物に利用される形へ近づいていきます。
炭素のすべてがそのまま土に残るわけではありません。微生物の働きによって一部は二酸化炭素として大気へ戻り、一部は土壌有機物として蓄えられます。枯れた植物は「終わったもの」ではなく、森の炭素と養分の流れを動かす存在です。
お花の終わり方は、一つではない
暮らしの中では、まず傷んだ部分だけを外し、茎を短く切って小さな器へ生け直すことができます。花びらの質感や色を残したいときは乾かす。役目を終えたと感じたら、包み紙、リボン、ワイヤー、吸水フォームなどを植物部分から分けます。
植物部分の処分や堆肥化の可否は、住んでいる地域の分別ルールと、使用するコンポストの対象材料を確認してください。すべてを乾燥させたり、無理に土へ戻したりする必要はありません。素材ごとに、次の行き先を静かに選ぶことが大切です。
変化する姿を、最後まで見る
GANONのフローリストは、日本各地の産地から市場を通じて届くお花を一種ずつ目利きします。瑞々しい開花だけでなく、花弁が透ける瞬間、茎の曲がり、種を結んだあとの輪郭にも、その植物だけの表情があります。時間による変化まで想像することは、デザインをつくるときの大切な視点です。
長く保つことだけを正解にせず、日ごとに変わる姿を観察する。飾る場所を移し、器を小さくし、最後には手放す。その一連の時間まで含めて、お花と暮らす体験だとGANONは考えます。
見えない循環へ
根と菌類が支える土の中の関係は、関連記事「Beneath the Roots」でも紹介しています。枯れる前と後を分けずに見ると、植物の時間は地上だけで完結していないことが分かります。
季節の移ろいを映すフローリストのデザインは、GANON FLORISTのSeason Giftからご覧いただけます。
by GANON.


