
花を捨てないデザイン
Designing a Cycle Beyond Waste
お花を捨てないために必要なのは、役目を終えた素材を美化することだけではありません。仕入れから保管、制作、飾られる時間までをひとつの流れとして捉え、どこで状態が変わるのかを見つめることです。
そのうえで、短い茎、曲がった枝、開ききった花弁を、欠点ではなく別の輪郭として読む。廃棄を減らすこととデザインの質は、同じ判断の中で考えられます。

フラワーロスとは
フラワーロスは、生産・流通・販売・制作の過程で、観賞されないまま役割を終えるお花や花材を表す言葉として使われます。原因はひとつではなく、需要とのずれ、輸送や保管中の品質低下、制作時の切り分けなど、段階ごとに異なります。
すべてを一律に再利用するのではなく、発生した場所と素材の状態を分けて考えることが重要です。傷みのある素材を無理に使うことは、衛生や仕上がりの質を損ないます。
捨てない設計は、寿命を伸ばすところから
農研機構の切り花品質管理資料では、品目に応じた前処理・後処理や温度管理が、日持ちに関わることが示されています。廃棄を減らす最初の方法は、使い道を後から探すことではなく、届いたお花の状態を保ち、観賞できる時間をできるだけ失わないことです。
短いことを、欠点にしない
短い茎は、低い器の中で重心をつくれます。曲がった枝は、空間に方向を与えます。外した葉や実も、面を埋める材料ではなく、お花とお花の間に呼吸をつくる線として見ることができます。
重要なのは、余った素材を詰め込むことではありません。花首の角度、茎の長さ、葉の表裏、乾いていく色の変化を読み、必要なものだけを残すこと。少ない素材でも輪郭が明確なら、空間は弱くなりません。
GANONが読む、素材の線と時間
GANON FLORISTでは、北海道産に限定せず、全国の産地から市場に届く季節のお花をフローリストが一種ずつ目利きします。咲き方、茎の伸び、枝の向き、花弁の重なりを見て、異なる素材がひとつの景色になるように組み立てます。
お客様の要望に合わせて一から制作するのではなく、花材選びから完成までフローリストが担ったデザインの中から選んでいただく形です。入荷する品種が変わっても、色・線・余白の関係を読み直し、デザインの意図を保ちます。
今季のデザインを見る
素材の均一さではなく、その時期のお花が持つ輪郭から組み立てたSeason Giftをご覧いただけます。


