
Pollinators 花と昆虫の往復
Those Who Carry Pollen
お花が咲いた後、果実や種子へ進むためには、花粉が雄しべから雌しべへ届く必要があります。その移動を担う生きものが、ポリネーターと呼ばれる花粉媒介者です。ハチ、チョウやガ、ハナアブ、甲虫などが、お花を訪れるあいだに花粉を運びます。

受粉は、次の個体へ続く入口
昆虫が蜜や花粉を求めてお花に触れると、体についた花粉が別のお花の雌しべへ移ります。受粉の後に受精が成立すると、胚珠は種子へ、子房は果実へと変化していきます。風が花粉を運ぶ植物もありますが、昆虫による受粉では、お花と訪花昆虫の行動が直接つながります。
環境省は、世界の主要農作物の4分の3以上が、昆虫や鳥などによる花粉媒介に少なくとも一部を依存すると紹介しています。受粉は野生植物の更新だけでなく、果実や野菜、種子を得る農業にも関わる働きです。
同じお花を、同じように訪れるわけではない
ハチは蜜と花粉を集め、体毛に花粉をまといます。チョウやガは長い口吻を使って蜜を吸い、ハナアブや甲虫も種類ごとの行動で花粉を運びます。お花の形、開く時間、香り、蜜の位置が異なるため、訪れる昆虫も一種類ではありません。
目立つ色だけが昆虫を招くのではありません。人には見えにくい紫外線の模様、香りの強さ、足場になる花弁、口が届く深さ。ひとつのお花には、花粉を運ぶ相手との関係が形として残されています。
小さな生息地を途切れさせない
庭やベランダでは、開花期の異なる植物を組み合わせると、昆虫が蜜や花粉を得られる期間を長くできます。八重咲きだけに偏らず、花粉や蜜へ届きやすい一重のお花を交えること。農薬は必要性と用法を確かめ、むやみに使わないこと。枯れ茎や裸地の一部を残すことも、種類によっては休息や営巣の場所になります。
一輪の向こうにある関係
GANON FLORISTが市場でお花を選ぶとき、見るのは色や大きさだけではありません。花弁の重なり、雄しべや雌しべの構造、実へ移る前の姿。フローリストが植物の構造を読み、それぞれが持つ時間をデザインの中に残します。
by GANON.


