
植物の質感
Flowers We Want to Touch
お花の印象は、色や形だけで決まりません。水滴を弾く葉の艶、光を通す薄い花弁、産毛をまとう茎、乾いた実の殻。表面の違いは、同じ色の花材にも異なる距離感と時間を与え、花束の奥行きをつくります。

質感は、光の受け方に現れる
艶のある葉は光を点として返し、輪郭をくっきり見せます。粉をふいたような葉や乾いた枝は光をやわらかく受け止め、画面に静けさをつくります。薄い花弁は、前後のお花や葉の色を透かして見せるため、重なりの数でも明るさが変わります。質感を見るとは、表面だけでなく、その花材が光の中でどう見えるかを読むことです。
やわらかさと硬さを、均等に混ぜない
花束に異なる質感を入れるとき、すべてを同じ量で混ぜる必要はありません。やわらかな花弁を主役にするなら、艶のある葉をつなぎ役に、乾いた実や硬い枝を小さなアクセントにします。反対に、枝の線を見せたいときは、お花の面積を抑えて表面の違いが見える間を残します。質感の強弱があることで、視線が一度に止まらず、花束の中をゆっくり移動します。
余白が、触れた感覚を想像させる
花材を密集させすぎると、細かな産毛や花弁の縁、実の凹凸は輪郭の中へ沈みます。枝の向きや花首の角度に合わせて空間を残すと、一つひとつの表面が見え、触れなくても硬さや薄さを想像できます。余白は何もない場所ではなく、質感を見分けるための距離です。実際に植物へ触れる場合は、花材を傷めず、種類が分からないものや刺激のある樹液には触れないようにします。
GANONが読む、植物の時間
GANONのフローリストは、全国の産地から市場を通じて届く季節のお花を一種ずつ見ます。花弁の厚み、葉の艶、枝の乾き方、開花後に輪郭がどうほどけるか。今の美しさだけでなく、飾られた時間の中で質感がどう変わるかまで想像し、完成したデザインへ組み上げます。珍しさを集めるのではなく、異なる表面が互いを引き立てる順序と余白を選ぶこと。それが、GANONの花束に触覚のような印象を残します。
香りというもう一つの感覚については、「Scent and Memory」でご紹介しています。
季節のお花を、フローリストが仕上げたデザインから選ぶ方は、GANON FLORISTのSeason Giftをご覧ください。
by GANON.
